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素材と季節は密接な関係にある

遊牧の民たちが砂漠でウールの衣装をまとっていることからもわかるように、羊毛の適用範囲はじつに広い。高温多湿を快適に過ごすための素材開発も進んだ。最近では「スーパー80」や「スーパー200」などのように、いかに繊細なウールを生産するかが競われているが、これには首を傾げたくなる。過剰なまでに繊細なウールは湿気に弱く、たとえば営業で歩き回るようなひとが着るのに相応しいとは思えない。むしろスーパー80からスーパー100といった生地のほうが、日本の気候には適している。スーパー80のヴィンテージ生地などは、じつに豊かな風合いを醸している。存はウールモヘアやリキッドやコットン、夏はシルクシャンタン、初秋は麻、晩秋はカシミアのウール、そして冬はツイードやフランネル、といった素材で仕立てられた服が、ワードローブに収まることになる。素材と季節は密接な関係にあり、素材で季節を知ることにもなる。

共通のコンセプトが貫徹されて編集されているのが特徴

共通のコンセプトが貫徹されて編集されているのが特徴だ。こうした手法はいまに始まったものではない。高級ブランドビジネスの世界では早くから取り入れてきた手法である。これが小売店舗のスペースをより大きなものへと発展させ、今ではメガストアの開発を促している。これらの店舗へはどんなMDプロセスで商品が供給されているのか。投入した商品が仮説通りに売れているかどうか。狙いは、その検証にある。店頭が常に新鮮な商品で満されているか。品切れ(機会ロス)がないか。また投入した商品の出足はどうか。短期の零要予測に対して実際はどうか。仮説の検証にデータを使い、売れ行きをみて、商品の在庫調整をする。そのようにして店頭を常に新しい商品があるという状態を保つ。つまり商品の鮮度に気をつける。商品のコストロールは一週間単位だ。土・日の売上げの結果を見て月曜日に集計。それをもとに火曜日に会議を開く。次の週末に向け品揃えや店頭ディスプレイの修理、生産調整をし、店頭へ情報フィードバックする。例えば「オソック」の場合、回転日数二二〜二三日、売場には常に新しいものを投入。その中から次の新しいものを導き出す。そして当たるものを全店で展開。外れたものを引上げ、アウトレット(ネクストドア)へ移動する。このように、常に売場は鮮度を高い状態に保つ。

重い服の代償として登場

カジュアルウェアは、その意味では、支配者の服、被支配者の服に続く第3の服なのだが、支配者と被支配者が混交した時代背景を考えあわせると、その新たな階層が自由を求めて、自然発生的に誕生した希な服でもある。だからこそ、移民で構成されたカジュアルな国アメリカで成熟したのである。人は誰しも窮屈さを嫌う。その嫌う心持ちこそカジュアルなのだ。誰でもが、事情さえ許せば、自然に楽に着られる服を求めるはずである。スーツスタイルで、一人で、家で食事をする人はいないだろう。ほおっておけば、服装は楽な方へ楽な方へと流れ、暑い国では上半身裸が日常的になる。スポーツ観戦でさえも、人は裸になる。その一歩手前の、見苦しくない衣類が、カジュアルウェアなのだ。カジュアルウェアの源流には、こんな風な定義づけが行われていたはずである。